税とビジネスモデル

ビジネスモデルは仕組み。税と切り離すことはできないので研究します。

書評 - ビジネスケース『キーエンス~驚異的な業績を生み続ける経営哲学』

付加価値を最大化して高額なものを売るのが社会貢献」という経営哲学を持つ日系企業キーエンスの価値の源泉に迫るケーススタディ。一橋ビジネスレビュー。多くの企業で学ぶ点があるので、是非読むべき。 

 以下、雑な要点列挙と感想を書きます。

 

経営哲学をブレイクダウンした指針がいくつかある:

  1. 一番製品改善を考えた人が正しい。
  2. 目的を明確にして任せる。

この他に、営業部隊がコンサルティングもこなせるように問題解決能力を持っている。これを元に顧客からの信頼を得る。→当然営業はめちゃ勉強する。

所有している価値の源泉は次の3つ。

  1. 顧客DB
  2. 商品がどう役立ったかDB
  3. 業種別製造工程の教科書。

→人的組織のナレッジとして価値創出してる。 顧客に合わせ売る、顧客の課題をフィードバック、顧客から信頼を得る。→信頼されるので現場に入りより細かな対応ができる。営業と技術職を行き来。 社員の営業実績が報酬に直結するのでモチベーションとなる。また業績を改善する方法をみんなで考える。 その他「付加価値の最大化」を掛け声に、役職別に会議に投入される時間をお金に直して会議、また意思決定の遅れがもたらす損失を計算する。/技術者が自分の加えた付加価値をプレゼンし自分の価値を主張する。 顧客に合わせた細やかな製品開発は競合他社には模倣できないレベルで、柔軟な発想で既存製品を置き換える製品をローンチしている(蛍光顕微鏡)。顧客ニーズの精確な把握は商品コストをも最適化する。 顧客が評価する価値で価格が決まる。コンサルティング営業×商品開発がキーエンスの専任分野と位置づけ関係ないところは外注し付加価値の最大化を目指している。

 

【感想】なるほどねという要素が多かったが、人的システム・組織は時系列性を有していて、本書に書かれた施策を打てばすぐさますべての企業が改善するという訳ではないと思う。どういう順番でキーエンスの良い施策を取り入れていくのかは経営者の腕の見せ所と思う。