税とビジネスモデル

ビジネスモデルは仕組み。税と切り離すことはできないので研究します。

サービス価値を生み出すエモーショナルエンゲージメント

『アフターデジタル』という書籍を読みまして、非常に面白かったです。現在拠点を中国にもおいているビービット社社長の書籍。中国で起きているIT革命の様子と今後主流となる「オンラインとオフラインの境界が曖昧な」環境でのビジネスモデルを説明します。キーワードとしては、金融資本主義からデータ資本主義へ移行していくとのことです。

 

その中で、オフラインで提供すべきサービスはデータに基づく質の高いサービスであるべきと述べています。これの例として「エモーショナルエンゲージメント」を挙げており、リッツカールトンのクレドにも定めてあるようでした。前回のリッツカールトンの利用で「枕が固い」などと伝えておくと、次に宿泊する際には柔らかい枕へ変更してくれる、といった顧客毎にチューニングするというものだ。これは、顧客の属性に加えて行動履歴をデータとして合わせて蓄積することで実現する。こういう時系列に沿った顧客の動きを記録し、UX改善にも活かせるタイムラインの整備がサービス提供する企業としては必須である。

ゴールドスタンダード | ザ・リッツ・カールトン

 

このような世界観でメーカーはサービス提供会社の下請けとなり、サービス提供会社は決済会社の下請けとなる。

塚田農場かスターバックスでは一定額分のサービスを店員が自分で考えて実行してよいという仕組みがあった(どちらなのかは忘れた)。これは『アフターデジタル』中のエモーショナルエンゲージメントに他ならない。アフターデジタル時代にはこうした取り組みが、客の利用履歴・利用時の注文や嗜好と結びついていくことで、レベルの高いサービスを客が受け取れるようになれば、そういうサービス提供をするところが生きのことって行くのだろう。