税とビジネスモデル

ビジネスモデルは仕組み。税と切り離すことはできないので研究します。

ゲーミフィケーション

2011-2014年頃ゲーミフィケーションという概念が流行った。サービスのゲーム化センサー(時間圧縮を人生に意味を与える操作に紐付けること)

これが最近は議論されないが、膾炙したのだろう。

 

ゲーム化は、特定の行動を習慣化する際にも活用される。フィードバックを用意して、フィードバックを楽しみながら日々数分だけ特定の行動をすることが重要である。子供の頃を思い出すと、親に怒られながら毎日ゲームしてしまう、ゲームには抗えないということがあったと思う。ゲームのフィードバックー獲得スコアや、ステージクリアーなど、自分が次に進んでいる感覚になれる。

 

このゲームの枠組みを利用して、本来は面倒な作業を人々に担ってもらうというのがゲーミフィケーションの枠組みである。事例は枚挙に暇ない。例えばこのニュースでは、フェイクニュースか否かを学ぶことができる。

ゲームをプレイするだけで「フェイクニュースのワクチン」を接種できることが判明 - GIGAZINE

 

 ゲーミフィケーションも、2010年代前半に研究された。ポケモンGoを提案したNianticでは、陣取りゲームである『Ingress』を試している。IngressFoursquareという移動型SNSの失敗を取り込もうとして、適切なフィードバックを導入して人を移動させるゲームになっていた(なお難易度がインフレしていて実質的にもう入れないと聞いた)。

 

ゲーミフィケーションの成功例として語り継がれるのはFold itという、タンパク質の形を最適化するゲームだ。本来はソフトウェアでタンパク質の構造を決定していくはずなのだが、タンパク質構造としてのスコアを定義しておいて、それを人力で探し優秀者には報酬を与えるというゲームにしたことで、ソフトウェアの見つけられなかった構造を人間が発見したとのことである。

Solve Puzzles for Science | Foldit

 

 

 こうした、ユーザーに特定の行動をしてもらえるよう促す操作が今後有効になってくるという点はアフターデジタルでも紹介されている。すべてがデジタル化し、デジタルとリアルの境界がなくなる世界では、人のそれまでの行動履歴を「信頼値」に置き換えて、その信頼値に基づいて金融商品など(保険や婚活)を紹介する動きが広がる。

アプリ内でのユーザーとしてのスコアを向上させるために、特定の動きをしたり、ピアノのレッスンをアプリで受けることができる。そうして、全ての消費行動が決済プラットフォームに紐付いた「ゲーム」へと変化していく。これはGoogle検索エンジンと同様の怖さがあり、プラットフォーマーが価値ありと判断しなかった「体験」にはスコア評価が適用されず、徐々に人の意識から消えてしまうのかも知れない。デジタル世界に移行しきれなかった人間が楽しむリアルワールドでの趣味になるかもしれないが、経済的に干上がってしまうだろう。

移行コストは特に日本だと大きいと思うが、デジタル世界へシフトしておくことは非常に重要であると感じる。